まずは一言言わせてください。本作マジで神作です。
という訳で、こんにちは、YOHAΩです。5月17日、ついにスピッツの17作目のアルバム「ひみつスタジオ」が発売されました。私は前日にフラゲして、そこからずっとヘビロテしっぱなしです。
そこで今回は、「ひみつスタジオ」に収録されている曲たちを解説していきます。
…その前に、謝る事あるんじゃないのって?……そうでしたね。
《謝罪》
本来であれば、シングル「美しい鰭」のC/Wナンバーである「祈りはきっと」と「アケホノ」の感想のブログも書いて、既に投稿しているはずでした。しかし、新年度に入ってから、あまりにもブログを書く時間を作ることが出来ず、更新が途絶えてしまいました。先延ばしにしてしまい、結局、アルバム発売前までに間に合いませんでした。楽しみにしていた方、大変申し訳ございませんでした。
それじゃあどうするの?という話ですが、今回の感想については、2023年以前にリリースされているシングル2曲、…「紫の夜を越えて」と「大好物」ですね。この2曲の感想を省いて、代わりにこのシングルのC/Wナンバー2曲の感想を挙げていく構成にしようかなと思います。
つまりは、今年に入ってから発表された曲たちのまとめだと思ってください。
さて、前置きはこれぐらいにして、本題に入ります。
この前編では、アルバム1曲目の「i-O(修理のうた)」から6曲目の「オバケのロックバンド」まで、3曲目の「大好物」を除いたすべての曲と、番外編として、シングル「美しい鰭」のC/Wナンバー、「祈りはきっと」の感想を挙げていきます。
★1曲目「i-O(修理のうた)」
もうね…最初からこの曲は反則ですよ!あまりにもボロボロな心に刺さりすぎて、ちょーっと涙腺が緩みました。
イメージとしては、しょっぱなから「フェイクファー」を聴いている感じです。最初から泣かせにきています。もう…これ、ダメですね。もしライブで1曲目にこの曲やったら、余裕で涙腺崩壊します。
この温かな雰囲気、本当に「フェイクファー」です。その頃の曲好きな人はハマります絶対。なんやかんや言って、今一番好きな曲、この曲かもしれません。ドンピシャすぎてむしろ怖いくらいです。…この某ウイルスがここまで大事にならなければ、きっとこの曲は生まれなかったことでしょう。…いや、それプラス、ウクライナ情勢もですね。聞くだけでも胸を絞めつけられる暗いニュース、そんな中で爆誕したこの曲…そしてジャケットのロボット、i-Oくん、忘れかけていたネジを埋めてくれる、そんな支えの曲です。
★2曲目「跳べ」
1曲目の「i-O(修理のうた)」から一変、圧倒的なロックテイストの曲で、いきなり攻めてきましたね。特に何のひねりも無さそうな曲です。…かと思ったら、この曲、ハンドクラップが入っているのですね。しかも、メンバーによるもの…と。
そしてこの曲、実は「紫の夜を越えて」と同時期に収録されたということで、多分このアルバムの中では2番目に古い曲なのでしょうか。また、この曲とラストの「めぐりめぐって」は、セルフプロデュースの作品みたいです。本来、「めぐりめぐって」が1曲目だったので、もし1曲目が「めぐりめぐって」のままだったら、また違った印象を持っていたかもしれません。
それから…ミスチルも好きな私にとっては、アルバム「I❤U」の収録曲に、同タイトルの曲が収録されているので私は先にそっちを想像してしまいましたね。どちらも明るい雰囲気なのですが、ミスチルの「跳べ」はポップめのアレンジ、スピッツの「跳べ」はロックなアレンジで、個人的には後者の方が好きです。
★4曲目「美しい鰭」
4月10日に先行配信、12日にシングルCDが出た、通算46作目のシングル表題曲です。
何度か話に挙げていますが、…ようやく私も、鰭解禁です。映画の予告映像でサビだけ聴いていましたが、数回聴いただけであまり覚えていなかったので、実質完全初見…と言いたいのですが、ここでアルバム購入時のこぼれ話を…。
事前にとあるお店で予約を取っていて、学校帰りにそのお店によって、フラゲしたんですよ。それはいいとして、そのお店ではスピッツの小ブースも展開されていて、メンバーの直筆のサイン入りの色紙や、今回のアー写のイラスト、さらにはアルバムのダイジェスト映像も流れていました。そこで起こった事件です。
店内BGMが流れていました。最初はドラムフィルから入って、その後にファンファーレの如く、金管楽器が…そのとき、イヤな予感がしました。
「あれ?これってもしや、鰭?」
その瞬間、草野さんの声が…しかも聴いたことのないフレーズ。…ハイ、終わりました。実は店内でうっかり「美しい鰭」を聴いてしまったのです!
気付いた私は即会計へ、予約していたアルバムを手に入れた後は、颯爽とその場を後にしました。
…という訳でその後、例の事件を無かったことにして、ちゃんと鰭をフルで聴きましたとさ…。
いい加減曲の話に戻りますね。シングル曲の中では、かなり完成度が高い曲だったのかなと思います。それから、間違いなくライブ映えする曲だなと思いました。迫力がCD音源だけでも神だったので、ライブになるとそこに磨きがかかって、壮大なアレンジになりそうです。
メロディラインにもびっくりしました。サビではあんなにハイトーンボイスを轟かせているのに、Aメロは変拍子なのですよ。この構成は、「Na・de・Na・deボーイ」を彷彿とさせます。
正しく過去作の要素を盛り込んだ、新たなる神曲です。シングルの中で絞っても上位に食い込むぐらいの曲でした!
★5曲目「さびしくなかった」
とある映画を元にした曲で、サビ始まりの曲です。サビ始まりでイントロなしの曲というと、「スターゲイザー」や「稲穂」が脳裏を過りますね。
この曲は、Spotifyのポッドキャスト聴いて、「なるほど!」となった曲でした。その前までは、よく歌詞の意味が理解できなかったのですが…マジでSpotifyさんに感謝です。
それから、この曲を聴いたときの第一印象は、「昔の草野さんだったら書けない曲だろうな」でした。昔…特に90年代の曲は、かなり歌詞が難解で、解釈がかなり散らばっていたり、このようにストーレートに思いを伝える表現なんて、「裸のままで」あたりからちょろちょろと…って感じでしたからね。開幕から「さびしくなかった 君に会うまでは」と言っていますし、こういったストレート(?)な恋愛描写を書けたのは、今の草野さんだからだと思っています。実際、この曲の解釈はかなりシンプルに感じました。
★6曲目「オバケのロックバンド」
この曲については、最初にタイトルを見たときから、「ヤバそうな曲だな」と予想していました。…見事に的中です。もう「スピッツのテーマ」と言っても過言ではありません。
まず初めに、ファンである人はハンカチを絶対に用意して聴いてください。MVを見るのであればなおさらです。
この曲は、各メンバーのソロパート、サビのユニゾン、メロディ、何もかもがいい意味でぶっ飛んでいます。
Aメロ、つまりメンバーのソロパートは、インディーズ時代の曲で、1987年7月17日の、いわゆる結成記念日と定められている日に行われた、初ライブで披露された「子供おばけ」という曲のメロディをそのまま流用しているみたいです。私はインディーズ時代のことは詳しくないし、「子供おばけ」も聴いたことがないので、何とも言えませんが、フォロワーさんからそう教わりました。歌詞についても、それぞれのメンバーの性格や音楽性が上手く反映されているので、まだ曲を聴いていない状態で歌詞カードを見たときも、誰がどのパートを歌っているのか、予想出来ました。…約一名、踊っている人がいますが(笑)。
そしてこの曲を語る上で欠かせないのはMVですよ!90年代のMVが蘇ったかのような感じでした。とにかく、メンバーが皆楽しそう。雰囲気的には、「ハチミツ」のMVに近いです。
…と、まだまだ語り切れていないのですが、一旦ここまでにします。この曲については、いつか単独で解説したいです。
★番外編「祈りはきっと」
4月12日に発売された通算46作目のシングル「美しい鰭」のC/Wナンバーで、この曲は、アルバム「ひみつスタジオ」未収録です。
この曲は、最初に聴いたときから感動しまくりでした。
「色々なシーン」「隅々まで」「ダメダメでも」「ほのぼのした」と、似たような発音の言葉を並べている時点で、大げさかもしれませんが「天才や!」と思いました。
またこの曲は、どことなく「若葉」と繋がりのある曲だなというのが率直な感想です。どちらも「記憶」にまつわる点で話が展開しているのもあり、歌詞には「些細な所も忘れたくない」と思えるニュアンスが存在しているので、…そういった他の曲との繋がりを感じたら、歌詞を比較してみるのも良いですよね。
サウンドについては至ってシンプルで、いつものスピッツだったのですが、ひとつ珍しい点を挙げるのであれば、チェンバロの音ですね。オルガンやピアノはよく見るのですが、スピッツでチェンバロって…中々思いつきませんよね。パッと思いつくのは「夢じゃない」の間奏?他にありましたっけ?また思い出したら補足入れるかもです。
(後編に続くのです)