Ω`s Music Film

自称「平成の名曲ハンター」の高校生が、思うがままに音楽を布教するブログです。

アルバム『miss you』全楽曲感想~前編~

最初に一言言わせてください。これはかなり好みがはっきりと分かれるアルバムだなと思いました。

という訳でこんばんは、YOHAΩです。10月4日水曜日に、Mr.Children通算21作目のアルバムとなる『miss you』がリリースされました。私は以前のひみスタ同様、前日にフライングゲットして、そこから聴き込んでいました。今回はその感想を、ひみスタの時と同じく、全楽曲していきます。ただ、ひとつで全部やるのはしんどいしブログが長くなるので、前後編に分けます。

まず前編では、1曲目の「I MISS YOU」から6曲目の「アート=神の見えざる手」までの全6曲の解説をやっていきます。それでは早速、れっつごー!

★1曲目「I MISS YOU」

いやー、初動から掴まれる曲でした。昨年発表した「永遠」と「生きろ」を経て、それで出たアルバムの1曲目がこんな曲調で…しかも、何か歌い方変わっていません?

その前までの曲って、どちらかと言うと低音重視だった気がするのですよ。ただ、この曲は全体的にキーは高めです。まー4年前(?)にライブで原曲キーで「NOT FOUND」を歌い上げたお方ですからね……関係ないか。

また、この曲音タイトルについて、私は原点回帰したのではないのかと思いました。ミスチルのデビューアルバム『Everything』の1曲目が「ロード・アイ・ミス・ユー」、同アルバム収録で、1stシングルである「君がいた夏」の歌詞にも、「I will miss you」という歌詞がありますよね。タイトルを見た瞬間、誰もが思ったことでしょう。そして、桜井さんの持ち味である芸術的な韻踏みが早速ありました。「I miss you」と「迷って」「試して」「信じて」「疑って」…歌詞で韻踏みを自力で見つけると、言葉に出来ない嬉しさがありますよね。また、歌詞については他にもあって、「繰り返すフレーズ」が、ラストだけ「繰り返したフレーズ」と、過去形になっているのですよね。これはどういった意図があるのでしょうか。「脱却」という言葉が思い浮かびました。一体何から脱却したのか、デビューから30年以上経った彼ら、桜井さんの心情は、どのように変化したのか…興味深いです。

これは1曲目で正解だなと、このアルバムの中でも好きな方のナンバーです。

ちなみに余談ですが、私がこのアルバムを取りに行ったとき、店内ではこの曲が流れていました。歌詞からして「これは最初のヤツかな?」と思いましたが、見事正解‼ちょっぴり嬉しくなりました。

★2曲目「Fifty's map~おとなの地図」

アルバム発売日の前日に先行配信され、同日にはMVも公開されました。

いやはや、この曲はMVが話題になりましたね。タイトルの元ネタは尾崎豊さんかな?

「バイク」とか、「窓ガラス叩き割って」とか、どことなく尾崎さん味があります。流石は尾崎さん大好き桜井さん。

サウンドは前作『SAUNDTRACKS』や「生きろ」の流れを引き継いでいるのかなと思いますね。それと、この曲のギターソロ好きです。流石は田原さん。

ところで、「Fifty's map」って、「50年の地図」ですよね。…いや、「50歳の地図」?まぁ和訳はいずれにせよ、昨年本人たちも散々話していた「半世紀へのエントランス」が脳裏を過ります。だとすると、この曲はミスチルの未来予想図?あくまでも桜井さん視点ではあるものの、そのように感じました。

本人たちは否定していますが、ロックバンドって…それこそ80年代とか、特に深い意味のない、出鱈目な歌詞を激しいサウンドに載せて歌うイメージがあるのですよ。だから歌詞に攻撃的な言葉が入っているのでしょうか。


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★3曲目「青いリンゴ」

前曲とこの曲の曲のツナギは、このアルバム内で1番好きでした。

サウンドは初期のような爽やかな雰囲気で、桜井さんの歌い方も、初期の若々しさを感じさせますよね。それから、曲の終わり方が面白いなと思いました。一度桜井さんが歌いきって完全に音を消し切った後にアウトロが始まるという…初見時は驚きました。

この曲は初期のような青々しさを残しながらも、どこか新しい要素を盛り込んでいる様に感じました。多分アウトロであのような構成を取るのって…あっ、「Your Song」のアウトロもそんな感じか。このアルバムの中で「何か1曲オススメ挙げて‼」と言われたら、私はこれを選曲するような気がします。初期のような爽やかさ…昔のミスチルのヒット曲たちにも通じそうなので…。

ここまで3曲聴いていて思ったのが、バンドサウンドに一工夫加えて演奏する感じがしてきました。普段はボーカルに専念することの多い桜井さんも、このアルバムでは結構アコギ弾いています。そこも驚きましたね。

★4曲目「Are you sleeping without me?」

アルバム『Q』の収録楽曲、「Everything is from made a dream」並みの長いタイトルですね。英単語の数は…こちらの方が少ないのですね。1単語差だけど(笑)。

ピアノが主体の曲調で、眠たくなってしまいます。初見時はここで眠気が襲ってきました。それに…何か過去曲との繋がりを感じました。何だろう?

それから、歌詞カードを見ていて思ったのですが、この曲に限らず、歌詞に「コーヒー」って多いですよね。前の2曲にもありましたし、桜井さん、コーヒー好きなのでしょうか。…と、話が若干脱線しました。

タイトルの意味は「私がいなくてもよく眠れているかい?」でしょうか。とにかくこの曲は聴いていると眠たくなってきます。むしろ聞き手側の場合は、「without me」ではなく、「with me」になりそうです。…上手い事を言えとは誰も言っていませんよね。すみません。

★5曲目「LOST」

どことなく「未来」を思わせる曲でした。…ただ、歌詞で言っていることは真逆なのですよね。まずタイトルが「LOST」…失うという意味ですね。一体この曲の主人公はどのような境遇にあるのでしょうか。

「未来」は最終的に希望を取り戻すような終わり方、ハッピーエンド的な感じなのですが…こちらの曲は最後「立ち尽くしている」という歌詞で終わります。「未来」では再び歩き出すのですが、この曲は動かないのですね。これって、「未来」の歌詞中の主人公の別エンドにも思えてきます。前者は救われた世界線、一方後者…この曲は救えなかった世界線だと考察します。

それから、この曲はリズムが癖になります。サビのリズムは個人的に好きで、「消えてった」「立ち尽くしている」の音の取り方がかなり面白くて、キー的にも問題はなさそうなので、いつかカラオケで歌ってみよ。(隙あらば自分語り)

そして、この曲の主人公にも、いつか光が射しますように…。

★6曲目「アート=神の見えざる手」

このアルバムの中では、一番衝撃的なナンバーだったかもしれません。中盤と言うこともあり、ここらで変化球投げてきましたね。

この曲、まず最初に驚いたのは、その歌詞の量!多い!それも相まってか、カラオケで歌うときの難易度は高めに感じます。「Door」みたいな?

それから、普通に「カッター」とか「血」とか、虐待を感じさせるような歌詞もあって、挙句の果てには規制音まで盛り込むという凶器っぷりで、圧倒されました。というか、曲中に規制音が入る曲って、ボカロ曲の一つであるピノキオピーさんの「腐れ外道とチョコレゐト」ぐらいしか知りませんよ。

ただ、ラストの方は「LOVEはじめました」のような社会的なメッセージ…愚痴?も込められていて、歌詞の多さに圧倒されるものの、それが全く意味が無いのかと問われると違うし、むしろこんな放送コードギリギリな曲を作れたなと(褒めていますよ!)桜井さんに言いたいです。

(それにしても…歌詞に「弁護士」って、斬新だな)

それから曲中に何度か出てくる、「僕のアート」って、どういう意味なのでしょうね。まず、歌詞中の「僕」は誰を指しているのかが分からないので、何とも言えませんね。

(後編に続く…)